人類が一番先進的な時代は常に「今」ですが、この現代においても男性と女性の地位はいまだに平等ではありません。
特に息苦しい日本で「女性」として生きることに疲れてしまったなら詩を読むことを薦めたいと思います。
優しさと厳しさの両方を併せ持った方だと思います。
そして強い信念を持った方なんだろうなとその人物像を想像させる作品が多いです。
彼女の詩には家族の血の繋がりというどうしようもない重たさ、暗さ、生臭さが表現されています。
それが鎖のように身体に絡みついて押し潰されそうになったうめき声にも似た苦しさを感じる事でしょう。
血縁という関係性に縛られて苦しんでいる人に読んで欲しいです。
女性の詩人は女性として生きる上での、身体、恋愛、社会からの扱いを描いていることが多いです。
それらは読む側が今まで生きてきたうちに少なからず体験していて共感できると思います。
そして「女性」として生きることからの精神的な開放を得られることもあるでしょう。
でもそれで全員の苦しみが解消されるわけではありません。
「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである。」(萩原朔太郎)というようにただただ寄り添ってくれる存在でしかないこともあります。
でもそれだけで救われる人はたくさんいると思います。
あとがき
詩については学校の授業で読んだだけ、なんとなくいいことを書いていそうと思っている人も多いかもしれません。
この本は詩の読み方、本当の意味での味わい方を学ぶのに最適な教科書と言えます。
まずこれを読んで詩との接し方を知ることをお勧めします。
「詩のこころを読む」