遅ればせながら映画「マイ・インターン」を観ました。
サードウェーブの香りがそこはかとなく漂う映画です。
以下内容にも触れます。
観た人だけ集まれー^^
マイ・インターン ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
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デニーロ演じる厳格な上司の元で働くことになったインターン役のアン・ハサウェイの映画。
・・・だと思っていたら真逆の設定でした(笑)
全く事前情報なしでタカをくくって観たのでいい裏切りから始まりました。
形だけで雇われたシニアインターンだったので開始当初はベン(デニーロ)に仕事が与えられず、自ら進んで小さな仕事を見つけてやる場面がありました。
その場面で漫画「サラリーマン金太郎」を思い出しました。
サラリーマン金太郎 全20巻セット (集英社文庫―コミック版)
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70代男性のベンと30代女性のジュールス。
二人ともかっこいいです。
住む世界の違う人間同士の交流を描くという点で、最近だと「最強のふたり」「 クロワッサンで朝食を」を思わせるようなストーリーです。
成功も失敗も全てにおいて予定調和のある安心して観ていられる映画です。
そう全ては予定調和です。
ストーリーの進行中いくつかのエピソードがあったのですが、何かの伏線なのかと思いきやその場をしのぐだけで通り過ぎるばかりでした。
ジュールスと母親との関係を掘り下げるでもなく、ママ友の意識を変えることも無し。
倉庫の衛生問題も放置。
飲酒運転をしようとした専属運転手の苦悩と救済を描くこともありませんでした。
ベンを担当から外した時もただメールで部下に伝えて、その後気が変わったから普通に謝って元通り。
そこは邪魔に感じている発言をベン本人に聞かれて、その後ベンの真摯さに触れ改心してから本気で謝るくらいの描き方をした方が良かったのでは?
物語、人間関係、心理描写にも深みがないと感じました。
まったく深みがないよ。
うん。
・・・・・深みって何だよ。
観終わった後に他の人のブログで感想を読んでみたのですが、その中で「ベンが過去に奥さんに浮気をされていたのではないか」という推測をしている方がいました。
僕はそれを読んで目からウロコが落ちるような感覚になりました。
ベンが仕事人間だったこと、神経質な性格、家族構成等そう考えると確かに当てはまるように思えたからです。
そしてホテルのテレビで映画のワンシーンを観ながら涙を流すシーンにも納得。
そのブログを読んでから初めて僕はベンの心情を想像することができました。
(ベンが浮気をしていたと考えても当てはまるかも)
陳腐なシナリオ上のキャラクターではなく、苦労も幸福もある人生を歩んだ人物として捉えることができたような心境でした。
観ている時はベンがホテルで映画のワンシーンを観ながら泣いている場面で「なんであんなちらっと観ただけで泣いてんの?」と思っていたのです・・・。
深みがないのは自分の方だったー!!!!;;
人生経験が浅くてそんなことなど考えも及びませんでした。
ジェイソンが直接謝るべきだということもわかってる。
精一杯長文のメールを考えたんだとのたまうジェイソンに誰もが「直接話せ!」と思ったことでしょう。
もちろんベンはそう助言したのですが、それは観ている人の意見を代弁したものでした。
その場面は観る側の意見を正当化してくれる効果を発揮しています。
他の同僚もどこか抜けている人物設定になっていました。
そして彼らの不注意を僕達は容易に指摘することができます。
ですがそれは誰にでもそう思わせるように作られているのです。
テレビでもおバカを「演じて」いる芸能人を「あいつはマジでバカ」と見下すような感じです。(もっと上から糸を引いている人間に笑われてるよ)
ハンカチを持つといいこともわかってる。
机を片付けた方がいいこともわかってる。(自分の担当ではなくても)
その他この映画でああした方がいい、こうした方がいいとわかっていたことを本当に、実際に自分ができているかというとほとんどできていませんし、現実の問題として直面したらうろたえてしまうでしょう。
それはわかっているのではなく、わかっている「つもり」でしかありません。
わかっているつもりでしかない人間が他人を軽々しく評することなどできるはずがないのです。
映画の中で放置されてしまった問題は、その後も紆余曲折があることを想像させます。
その点は、同じく問題が山積みの僕達の現実世界のようで逆にリアリティを感じるようになりました。
そこに気づくといろいろ考えさせてくれたいい映画だったな〜。
以上これは感想ではなく反省のための記事です。
まあこんなめんどくさくて遠回りな考えを持つ人などいないでしょうね・・・。
(おまけ)
この映画にまつわるビール情報です。
ジュールスとベンが残業中にピザを食べながら飲んでいたビール。
あれはステラ・アルトワですね。
カットが変わってもラベルがカメラの方を向いていたのでスポンサーなんだと思います(笑)