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今日もちょっと楽しい

日本には三大映画作家がいた

トピック「映画監督」について

 

あなたが日本に暮らしていて映画が好きだとします。

そしてこの三人の巨匠と呼ばれる人たちの作品を観たことがなかったのなら、まずは彼らの作品を観てみませんか?

 

 

溝口健二

 

溝口健二 - Wikipedia

女性映画の巨匠と呼ばれ、一貫して虐げられた女性の姿を冷徹なリアリズムで描いている。サイレント期は下町情緒を下敷きとした作品で声価を高め、戦中・戦後は芸道ものや文芸映画でも独自の境地を作り出した。完璧主義ゆえの妥協を許さない演出と、長回しの手法を用いた撮影が特徴的である。

 

ジャン・リュック・ゴダールが「好きな映画監督を3人あげてください」と言われ、「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えたエピソードがあります。かっけー。 

 

雨月物語

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ストーリー

戦乱の到来を契機に大商いを目論む陶器の名工源十郎と、息子と家族3人で貧しくともささやかな幸せを望む妻の宮木。侍として立身出世を夢見る源十郎の弟・藤兵衛とその妻。やがて源十郎と藤兵衛はそれぞれの妻を故郷に残して都に出るが…。

人間とはなぜかくも愚かなのでしょうか。

悲惨な場面もあるのに全体を通して美しい映像です。

幽玄とはこのことですね。

 

 

山椒大夫

山椒大夫 [DVD]

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 ストーリー

人攫いの罠にかかり、母親と離れ離れとなった厨子王と安寿の兄妹は、豪族山椒大夫の許に売られて奴隷となる。それから十年、二人は依然として奴隷の境遇だったが、ある日、新しく買われた奴隷が口ずさむ唄に、自分たちの名前が呼ばれているのを耳にする…。

涙活なんてしゃらくせえ!山椒大夫で自分の涙に溺れるがいい! 

そのくらい泣きました。ほんとやばいですよ。

主人公が逃亡を図ろうとするシーンでは息がつまるほどの緊迫感!

 

時代劇が多いですが「赤線地帯」等の現代劇もあります。

 

 

小津安二郎

 

小津安二郎 - Wikipedia

「小津調」と称される独特の映像世界で優れた作品を次々に生み出し、世界的にも高い評価を得ている。「小津組」と呼ばれる固定されたスタッフやキャストで映画を作り続けたが、代表作にあげられる『東京物語』をはじめ、女優の原節子と組んだ作品群が特に高く評価されている。

 

普通の人々、家庭、世間を描いています。

そのためわかりやすい盛り上がりがないので地味に感じてしまうかもしれません。

しかし視点の緻密さが映画表現として異彩を放ちます。

普遍的な人間の感情と行動を的確に描き、人々の感動を喚起し続けます。

  

東京物語

ストーリー

尾道に住む老夫婦、周吉ととみが東京で暮らす子供達を訪れるために上京する。子供達は久しぶりの再会で二人を歓迎するが、それぞれ家庭の都合もあり、構ってばかりはいられない。結局、戦死した次男の嫁、紀子が二人の世話をすることになる。老夫婦は子供達がすっかり変わってしまったことに気づくのであった……。 

始まってすぐじわじわと涙腺が刺激され続けました。

そのじわじわがずーっと続くんです!

そしてあるところで大洪水;;

会話しているだけのシーンなのに!

 

 

麦秋

麦秋

麦秋

 

ストーリー

間宮家での心配ごとは、娘・紀子が婚期を逃がしかけていること。会社員で独身生活を楽しむ紀子に結婚の意志はあるのだろうか。そんな中、会社の上司から持ち込まれた条件の良い縁談話。しかし、紀子はその縁談を断って、知人で子持ちの“男やもめ”との結婚を宣言する。家族の反対を押し切って彼の転勤先へと嫁いでいく紀子だったが……。

ビールにあったらおいしそうなタイトル。(っておい)

 

原節子さん美しい。

演技なのに本来の人間性まで素晴らしいと思わせる女優さんです。

安らかにお眠りください。 

 

 

 

黒澤明

 

黒澤明 - Wikipedia

映画史の中で最も重要かつ影響力のある映画監督の一人であり、ダイナミックな映像表現とヒューマニズムに徹した作風で、『羅生門』『生きる』『七人の侍』など30本の監督作品を生み出した。小津安二郎溝口健二成瀬巳喜男らと共に世界的にその名が知られており、作品もアカデミー賞と世界三大映画祭(ヴェネツィアカンヌベルリン)で受賞され、多大な評価を得ている。 

「世界のクロサワ 」として誰もが知っている監督です。

もはや説明不要。

と言いたいところですが、評価が高いらしいという事を知っているだけで実際に作品を観たという人は少ないように思えます。

時代劇、現代劇どれも人間の深部をあぶり出す素晴らしい作品ばかりです。

おすすめ作品は「全部」です。

「赤ひげ」「七人の侍」「用心棒」「天国と地獄」・・・あげたらキリがありません。

ですがもう新たに作られる事もないので(残念ながら)片っ端から観ていきましょう。

 

  

 

ゴダールが「日本映画というもの存在しない。何人かのよい映画作家がいただけだ」と語ったそうです。

はじめは何のこっちゃと理解できなかったのですが、日本映画とはなんぞやと考えてみると確かにこれと言える、根幹をなす思想らしきものは思い当たりません。

ゴダールの言う通りならば日本や日本人を表現する映画というものはないのです。

溝口、小津、黒澤の三人の「個人の視点を通した作品」にもっと多くの日本人が触れ、日本と自分のことを改めて考えてみるのもいいのかもしれませんね。

 

 

 

黒澤明に関しては「世界に影響を与える日本人」としての偏狭なナショナリズムを煽る「道具」にするなよ!と言いたくなります。

うがった見方かもしれませんが実際いるんですよね。

matome.naver.jp

黒澤監督を冷遇してたのも日本人なんですけどね。。。