この風景を見たことがあるという方はどれだけいるでしょうか。
都営浅草線東日本橋駅の連絡通路にある小窓なのですが、そこには洞窟のような空洞にバラが配置されています。
昔ガラケーで撮った写真なので粗いためわからないと思いますが、奥には水が流れていてなかなか凝った作りになっています。
地下鉄につきものの地下水を流すための場所に遊び心で作ったそうです。
とても不思議な雰囲気があって以前はここを通るたびに歩く速度を落とし目をやっていました。
この作品を見るといつも寂寥感が胸を覆いますが、僕はこの風景が好きでした。
先日そこを久しぶりに通ってみると今では無機質なステンレスの扉が取り付けられていました。
この扉の奥には今もバラがあるのでしょうか。
真っ暗で水が流れる中に寄り添うバラの姿が思い浮かびます。
少し寂しいのですが、自宅に飾っている絵画がこの風景にとても似ています。
2010年にアートメーターで買いました。
これは洞窟の中のろうそくなんだそうです。
どっちを先に知ったのか覚えていないのですが、どうやら僕はこうゆう世界観が好きみたいです。
この絵を見ると今はもう見ることのできない、あの小窓を思い出します。
今は限られた人たちの記憶の中にだけあの風景は残っています。
そしてそれもいつかは失われてしまうのです。