映画・ゲーム・小説などの創作物においてアメリカで人気があるジャンルに「ポータル」というものがあります。
インターネットの「ポータルサイト」のポータルで「港:Port」から派生した単語です。
創作世界におけるポータルとは異世界へと繋がる門のことです。
アメリカではそこを通り別世界で冒険をするという作品が少なからずあります。
ちなみにアマゾンプライムで映画「ウォークラフト」を観た感想でもあります。
“アゼロス”は長い間、平和な時代が続いていたが、悪しき勢力が迫っていた。その者たちとは、滅びゆく故郷“ドラエナー”を捨て、新たな定住地を求めるオークの戦士である。オークたちは、世界と世界をつなぐ異次元の入口“ダークポータル”を開き、侵略を始めていた。
CGの完成度が素晴らしく高く壮大なスケールの戦いや中世をベースにした異世界を表現できていました。
ストーリーは中盤まで良かったものの最後の場面で王が自分を殺せと言う理論がわかりませんし、そこから決闘になる流れも無理やりな感じがありました。
あと川に子供を流すのは旧約聖書を知らないと重要性の描写が伝わりにくいかもしれません。
続編ありきの作りになっていました。
でも派手なファンタジーが好きな人にはオススメできる作品です。
続編も楽しみ!
数あるポータル作品で一番の記念碑的な作品が「スターゲイト」です。
異世界だけではなく古代と現代の異なる時代もつないでいます。
古代エジプト的なデザインをそう使うかと感心します。
とても面白い作品ですし、その後ドラマ化されるほどの人気です。
他にも「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」「アベンジャーズ」「コンタクト」等ポータルが出てくる作品は挙げればきりがありません。
でも今まで何気なく観ていませんでしたか?
そのくらいアメリカ人はこのジャンルが好きなのです。
もちろん日本にも似たような設定はありますがジャンルとしてまで確立されていませんし、日本語でそれを一言で表す言葉がありません。
作中の台詞では「ポータル」とはっきり呼ばれていますが、日本語字幕では「門」「ワームホール」などと訳されています。
概念がはっきりとしていないのは作品での扱われ方にも現れています。
例えば「千と千尋の神隠し」は日本型ポータル作品と呼べるでしょうがその境界線は曖昧で、主人公・千尋はいつの間にか異世界へと入り込んでいます。
しかしアメリカ型ポータルは境界がはっきりとしています。
物質的に門を構成する要素がありそこを通ることで異世界へと移動します。
またその機能を発動する条件も必要になってきます。
異世界へと繋がるためには何らかの高いエネルギーを使用するので、そのエネルギーを得るための鍵の攻防などもストーリー展開に加わってきます。
ポータルが存在するには根拠が必要であり、日本のように「いつの間にか」や「たまたま穴が開いた」「不思議な力」という説明では不十分なのです。
論理性を重んじる文化の違いかもしれません。
日本の映画ではっきりとしたポータル作品だと僕がわかる中では 「ドラえもん のび太と鉄人兵団」があります。
ひみつ道具は進んだ科学技術を基にしているので必然的にアメリカ型になっています。
これは映画の内容も素晴らしい名作です。
アメリカにおけるポータル作品の人気の根底には、先祖がアメリカ大陸へと進出したように異世界へ踏み出そうとするフロンティアスピリッツを受け継いでいるからなのかもしれないなと感じました。
もしかしたらアメリカ人はいつかポータルを発明するかもしれませんね。
概念は指標となり得えますから。