lilting

今日もちょっと楽しい

ロッキーみたいな日本映画を教えて欲しい

映画ロッキー・ザ・ファイナルを観ました。

 

「エイドリア〜ン!!」でおなじみロッキー・バルボアが主役のボクシング映画です。

 正直クリード/チャンプを継ぐ男」を観る前に前作を押さえておこうと軽い感じで観ました。

 

クリードは去年公開され大絶賛を浴びた映画だったので興味があったのです。 

でも僕はこれはあまり面白いと思えなかった。

主人公の行動にあまり共感できなかったし恋愛パートがかったるい。

性格にリアリティがなくてサイコパスっぽささえ感じてしまいました。

試合も現実味を考慮した無難な結果に終わって興ざめ。

チャンプ継いでねーし。

ファイナルと同じはずなのにこの温度差は何なんだ。

よく考えたらあの彼女も相当性格悪いな。

アパートで騒音出して苦情伝えてもまた音出すとか。

ロッキーの老後を描いている場面はよかったです。 

ええ単にロッキーが好きなだけです。

 

話は戻りまして「ロッキー・ザ・ファイナル」ですが、これは最高に熱くなれる映画でした。

ロッキーの引退後の生活を中心とした周囲の人間関係の描き方もよかったです。

小津安二郎の「東京物語」を思い起こさせるような家族の存在の重苦しさが表れていました。

でもそれでしんみり終わるんじゃなく信念を貫き周りの人間すら変えていきます。

もう年齢的にリアリティがないだとかそんなことは関係ないんです。

ロッキーが逆境に負けず熱い言葉を放ち、特訓をしてリングに立つ。

「れつげっれでぃとぅらんぼーーーーおぅ!!!!」

「うおおおおおおお!!!!」

それからはもう拳と拳のぶつかり合い。

そこには本物の試合があって、血が流れていて痛みがありました。

観ているだけで苦しいのに二人は戦い続けます。

その原動力はただ信念とプライド。

自らを信じて行動する姿には説得力があるんです。

その熱い激情のうねりに圧倒され高揚感に痺れるような終わり方でした。

黒澤明監督の言葉で「カツ丼の上にビフテキとウナギを乗せたような映画を作る」というものがあるそうですが、それを体現したような作品です。

これこそ王道。

それが映画の真骨頂ってなもんです。

 

コンピューター対戦を劇中劇的な扱いにすることでその一段手前、僕ら側からはスクリーンの向こうのロッキーがまるで本物のように感じるという効果もあったのかもしれません。

相手のチャンプのかませ犬感はちょっとかわいそうだったかな(笑)

 

 

ところでなぜ小津安二郎黒澤明の名前を出したかというと、上で述べたように共通項を感じるということがあったからでもあるのですが、それは僕の日本映画の価値観がそこで固定されたままだからなのです。

ロッキーを観終わった後「かつての日本映画はこうであっただろう。果たして今の日本映画でこんな作品があるのだろうか」ということを考えました。

映画自体全然詳しくありませんし特に最近の邦画はほとんど観ません。

なので、もしこんなに熱くなれるような邦画があれば誰か教えていただきたいです。

 

 

別の話ですがそろそろ父の日も来ることですし、父親にロッキーのDVDボックスをプレゼントするというのはどうでしょうか。

僕はあげようと思います^^