「タイタンの戦い」
「タイタンの逆襲」
名作映画のリメイク。
前作ではパペットを使用したコマ撮り映像でしたが今作はもちろん全編CG。
内容はギリシャ神話+スターウォーズ+ロード・オブ・ザ・リング。
スターウォーズとロード・オブ・ザ・リング毎回言ってるな。
物語構造論で成り立っていることを考慮したとしても2つの映画のシーン・キャラクターの影響が大きかったように思えます。
アメリカの大作映画を観ると感心するのが特殊効果映像のリアリティーです。
質感はもちろんですがその動きに物理的な法則をちゃんと絡めているのです。
慣性・重心・軽重の影響が現実の物体と同じように働きかけます。
それらがありえないはずの存在に対して現実的な説得力を与えています。
「タイタンの戦い」ではメデューサの首を切り、胴体が落ちていく時も尻尾から先に落ちて勢いがつき、胴体では支えきれずに引っぱられるように落ちていきます。
タイタンの逆襲のクロノス(超でかくて超やばいやつ)も腕の振りを追うようにマグマや岩が撒き散らされます。
ギャレット版「ゴジラ」でも尻尾の動きは付け根から動きが伝わり前の部分を後ろが追う鞭のような軌跡を描きます。
その表現がまあかっこいい。
方や日本の「シン・ゴジラ」では尻尾はゆらゆら揺れる感じでした。
咆哮時のプルプル感もスケールやリアリティーを表現できているとは言い切れない出来だったように感じます。
おっと、またシン・ゴジラ嫌いが出てしまった。
"ATOM"でもアトムが戦闘機の銃身を曲げる時にテコの原理を使っているのが細かいな〜と感心しました。
ちなみにあの戦闘機と兵士ってスレーブⅠとボバフェットをモデルにしてるよね。
内容は原作初期に敬意を十分に払われつつ子供向けで観やすい映画でした。
アトムも日本ではなくアメリカで映画化されたってのがちょっと寂しい気もしますね。
日本と比べがちになってしまいますが、特殊効果面での完成度はアメリカの方が上と言わざるを得ません。
それは単純に予算の規模の問題ではなく、リアリティー追求のために科学的な視点を持ち込むことを重要視するかどうかの考え方の違いなのではないでしょうか。
しかしアニメの表現では論理の重力から解き放たれた日本的な考え方は逆に自由さを生んでいるようにも思えます。