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今日もちょっと楽しい

黄金の国の闇 漫画「JIN」

 前回の記事で江戸時代に対して清潔で秩序があり平和な印象があると書いたのですが、素晴らしくいい時代だったと手放しに誉めたたえるということはありません。

 僕は時代劇が好きなのですが、それらには暗い部分も多く描かれているからです。

 

mariostang.hatenablog.com

 

もちろん創作物なので映画の内容そのままではないことはわかっていますが、製作者は当時の資料を参考にして作っているので実際にあった事例を導入しているということも多くあります。

最近読んだ漫画「JINー仁ー」もそんな感じでした。

  医療、幕末、ヒューマニズム、恋愛、SF、宗教、文化など1つの漫画とは思えないほど多くの要素が詰まっています。

こんなに多い要素を描いているにもかかわらず破綻せず高いレベルの人間ドラマとして成り立っている驚くべき作品です。

 この作品は作者が「江戸の性病」という本に出会ったことから構想が生まれたんだそうです。

江戸の性病―梅毒流行事情

江戸の性病―梅毒流行事情

 

というわけで江戸の実態も描かれていると考えてよいのでしょうが、 昔は人権のない残酷な時代ですよね。

主人公の南方仁も何度も死にそうな目にあってます。

なんであんなに過酷な出来事が立て続けに起こるんだ!

僕なら嫌になって隠れちゃうな・・・。咲さんと。

そんなことしたら作品が成り立たないわけですが(笑)

しかしそんな苦しみを何度も乗り越え、医者としての使命である人命救助を何よりも優先する南方仁の姿に心打たれ、強さに憧れを抱くような作品でした。

もう最高。

黒澤明の「赤ひげ」を思い出します。

それは単にヒゲつながりかな(笑)

でも「JIN」に出てくる若い医者(佐分利)は「赤ひげ」の加山雄三が演じてた人かなーとか。

あと「戦国自衛隊」?

 

ところでこの漫画のラストがハッピーエンドだったのかどうかは僕には判断できませんでした。

全てが手をすり抜けたような、翻弄されるままに終わったとも言える最後です。

でも見方によっては葛藤することなく二人の美女をゲットしたってことなのかもしれません。

それはゲスすぎるか(笑)

 

僕は江戸時代や大正の文化に憧れを感じます。

しかし知れば知るほどあの時代の輝きの下には闇も広く、深かったことを同時に理解しておかなけらばならないと考えます。

それが本当の反省であって未来への道しるべとなるものでしょう。

少なくともあの時代を「取り戻す」のはやめといた方がいいんじゃないかな。