単に感動した、悲しいとかでは終わらせることができない映画があります。
内容と俳優の人生につながりを感じてしまうからです。
「いまを生きる」ロビン・ウィリアムズ
1959年、アメリカの名門全寮制高校。生徒たちは、伝統と規律や親の期待に縛られながら、冷めためた気持ちで日々をやり過ごしている。そこに同校OBの教師キーティング(ロビン・ウィリアムス)が赴任してくる。マジメ腐った詩の教科書を破り捨てさせ、机に上に立ち、生きる視点を変えることを教えるキーティング。彼の授業を通して、生徒たちは自らを自由に語り合うようになり、自分の道を歩みだす。だが、彼らの前に厳しい現実の壁が立ちはだかる…。
ロビン・ウィリアムズが厳格な学校の生徒達に自分で考え、成長していくきっかけを与える教師役として出演しています。
変わっていく彼らにはこれからきっと楽しい未来があると誰もが思ったことでしょう。
しかし希望は絶望の谷をつたう心もとない一本のロープなのかもしれない。
ロビン・ウィリアムズはとてもいい俳優でした。
ユーモアで笑わせて柔和な表情で気持ちを暖かく溶かし、そして時に悲しみを誘う。
「ジュマンジ」「フック」での冒険、「ミセス・ダウト」のドタバタ。
「グッドウィルハンティング」「グッドモーニング・ベトナム」と心に残る名作ばかり。
「奇跡の輝き」もまたオーバーラップしてしまいます。
北京。少年時代から京劇養成所で厳しい訓練を受けながらも,兄弟のようにかばいあい慕いあって成長した2人の役者、トァン・シャオロウとチョン・ティエイー。たくましい大男のトァンは立役者、華奢な美少年のチョンは女形として、京劇『覇王別姫』の名役者として人気を得る。日本統治時代、第2次世界大戦、共産党政権樹立、文化大革命と動乱の時代の、時の権力に運命を左右される2人。トァンに恋心を抱きつづけるチョンであったが、トァンは高級娼婦のチュ-・シェンと結婚してしまう。愛憎渦巻く三角関係。愛に、舞台に、動乱の中国に生きる人々の悲恋を描く一大叙事詩。
以前も感想記事を書きましたがとても美しく哀しい作品です。
レスリー・チャン演じるティエイーの儚い美しさは結末の悲しさにも抗いがたい説得力を持っています。
彼はこうなるしかなかったのかな。
二人の俳優と作品に共通しているのは自殺です。
その事実が現実と作品世界の境界を薄れさせ、深く重い感覚が頭の中になだれ込んできます。
彼らと作品のことを考えるたびに「なぜ?」という思いが渦巻きます。
その瞬間、変わらないと思って日々生きていたこの世界と心が実はひどく不安定だと気付いてしまうのです。