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今日もちょっと楽しい

2023年に観た映画

去年観た映画の感想です。去年だけど1月中ならまだセーフでしょ!!というわけで書きました。

 

"NOPE"

 

宇宙人(生物)襲来、家族の再生、とほぼ「サイン」と内容がかぶっていますが違うところはこっちの方は高評価ということです。

「サイン」面白いのに・・・。

金田バイクのスライドは笑ってしまった。

映像作品において最も引用されているシーンかもしれません。

ぶつ切りに差し込まれるチンパンジーのエピソードは不穏で恐ろしく全体の緊張感を高めていると思います。

そしてそれがこのUFO事件とどう関係しているのかというのは映画のストーリーを超えたところでも作用しているのではないでしょうか。

 

サインはいい映画!

mariostang.hatenablog.com

 

 

「生きる LIVING」

 

黒澤明監督作品「生きる」のカズオ・イシグロによるリメイク。

ぶっちゃけ単にイギリスを舞台に翻訳しただけです。

と言ってもその翻訳の緻密さはさすがと言うべき。イギリスの雰囲気とばっちり合っています。当のイギリス人はどう感じるのでしょうか。

恋愛要素の追加以外特に変わっている部分はありませんが、根底にある人間の心の熱さは国を超えて伝わることでしょう。

いかに原作が普遍的、完成されているかということです。

それでも原作を知らない世代、国の人たちがこの作品の魂に触れられたというのは良いことだなと思います。

もっと黒澤映画が観られるといいな。

もちろんこれ自体もいい作品です!

 

 

「65/シックスティ・ファイブ」

 

「もし恐竜絶滅の瞬間に人類が居合わせたら」を形にした映画。

どうやったら居合わせられるのかというのは「遠い昔、はるか彼方の銀河系で」ということにしています。

それでアダム?

出てくる恐竜がなんか陰湿でキモいです。サム・ライミ感あるかも(笑)

この映画で少女にイラつくというのはよくある感想かもしれませんが、そんな人は想像力が無いですね。

9歳で、コールドスリープから目覚めたばかりで状況がわからず、かつ言葉が通じないということを理解していない。

そういうことが想像できると映画はもっと楽しめるのです。

ただ主人公(アダム)の娘が実はアレだったということがわかる部分はもっと後にすべきでした。

少女の親がアレだったということで「嘘つき」と言われている(多分)場面で判明した方が良かったのではないでしょうか。

最後のシーンで人類、地球、宇宙の歴史を想像すると壮大なロマンがあって、細かいことはどうでもいいなと思わせてくれる作品でした。(なんだその感想)

 

 

"THE BATMAN"

これは面白かった!

暗くて荒々しいところがいいですね。なんならダークナイトより好き。

若いブルースのエモっぽい(「エモい」ではないです」)厨二感にバットマンの成長過程を感じることができます。

リドラー、ペンギン、キャットウーマンとおなじみのキャラも出てきます。

というか一気に出しすぎな感じもありますし、キャットウーマンハル・ベリーを踏襲し過ぎにも思えますが可愛いのでOK。

未練タラタラのブルースが最高!

途中のシーンで、あれ?めっちゃ黒澤明の「天国と地獄」っぽい!てか台詞なんかそのまんまじゃん。これは引用してるな。と思って検索したらやっぱりしていました。

マット・リーブス監督『ザ・バットマン』に取り入れた、黒澤明監督『天国と地獄』要素 | ORICON NEWS

リドラーのビジュアルにもちょっと取り入れてると思います。

「天国と地獄」ではサングラスですが。

そのサングラスを使った演出がすごいシーンがあるので是非「天国と地獄」を観て欲しいです。闇に潜む犯人の表現が素晴らしいです。

その「闇」をよく取り込んでいるのがこの"THE BATMAN"だと思います。

冒頭の通行人をいきなり殴るというやつは海外のSNSで実際にある忌むべき流行です。暴力、貧困、憎悪の連鎖という現代の闇と連動していて、フィクションの中に実際の世界を描いているのです。

引用元作品の形だけじゃない、エッセンスを理解しているところが庵野監督との違いかなと思います。(唐突なシンシリーズディス)

 

 

「ロスト・エモーション」

感情なんてない方が世界は平和になるよねという発想を未来世界に落とし込んだSF作品。

というわけで感情の無い世界を描いていくわけですが、何故感情に訴えかけるような綺麗な食事なんだろうとか結構突っ込みどころはありますが、敢えてそういうノイズを入れることによって観る側の感情、思考を引き立てていることになっているかもしれません。だとしたら上手いね。

そこでは当然恋愛感情すら禁止されています。主人公二人の恋愛はどういう結末になるのか。ロミオとジュリエットモチーフな所は分かりやすいです。

果たしてこれはハッピーエンドなのかバッドエンドなのかそこは観た人によって変わる部分でしょう。

 

というかこの感情抑圧的な社会ってすでに日本で実現してるじゃん。同じようなことを感じる国の人が作ったんだろうか。イメージ的に北欧の人なんかな?と思って調べるとなんとびっくりロケ地は日本とのことでした。(ちなみに監督はアメリカ人)

もはや日本そのものやん・・・。

改めて考えると個人を認識するゲートは駅の改札っぽい。

ああいうのを日本で見て発想を得たんだろうか。やたらご飯は美味いし。そういや原爆も落とされたしなあ。

設定自体はガタカとかディストピア物ではよくある感じですが、日本社会により接近しているという点で興味深い作品です。

というわけで日本の状況と重ね合わせて観ると日本社会にとって何が問題なのか、何が必要なのかを考えることができるのではないでしょうか。

僕も恋愛してないしな!(ぐはあ)

SFはIFであり未来への備えなのです。

 

 

「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

 

これはザ・エンターテイメント!という感じで細かいことを批評する映画ではありません。

観てスカッとするか面白いかどうか。それだけで十分な作品であり、その点では素晴らしい出来栄えでしょう。

僕はこのゲームをしたことがほぼないのですが観てて十分楽しめました。

親子でゲームして観るとすごくいいんでしょうね。

直前に(何度目かわからない)「スターウォーズEP1 ファントムメナス」を観たのですがストーリー構成がかなり似ていました。

構造的にはよくある映画の作りで安定しています。

 

個人的にはマリオブラザーズのCM曲がテーマソングを元にしたラップだったのが"Cocoa Brovaz - Super Brooklyn"を回収している感じがして良かったです。

原作からの時を経たアンサーだ!みたいに感じました。


www.youtube.com

 

他にも「ブレット・トレイン」「デッド・ドント・ダイ」"LAMB" "TENET"等いくつか観ましたが今回はこんな感じで。

やっぱりSF多いな。

今年はもっと多くいろんなジャンルを観るぞ!