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SF映画「チャッピー」感想

遅ればせながらSF映画 「チャッピー」を観ました。

 ストーリー

2016年―犯罪多発地区、南アフリカ ヨハネスブルグに世界で唯一の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生。彼の名はチャッピー。起動したばかりのチャッピーは真っ新でまるで子供のようだが、彼の余命はたった5日間しかない。ギャングにさらわれたチャッピーは、ギャング式の生きる術を覚え加速度的に成長する。ただ「生きたい」と願うチャッピーの人知を超えた行動に、我々は衝撃の結末を目撃する。

前作でも南アフリカを舞台としたSF映画「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督作品です。

ロボット警察が犯罪を取り締まるというのはロボコップ(2014)と似た世界観でした。

あちらが「人間がロボットになったら」というテーマに対しチャッピーでは「ロボットが人間になったら(心を持ったら)」という逆の構図です。

よくある設定ではありますが南アフリカの混沌とした現代感をミックスさせている点で異質な雰囲気があります。

純粋なロボットと欲深いギャングスタ、正義と悪の対比という単純な構造から始まりますがいつしかそれらが混ざり合い逆転していくことに現実の複雑さが表現されています。

チャッピーは生み出した人間、育てた人間、付けねらう人間と全ての人間に翻弄される宿命を持っています。

そうこの映画は「人間」を描いているのです。

そして我々はチャッピーもその人間に含んでいることに気づくでしょう。

以前の記事にも書きましたが、SF映画は荒唐無稽な空想物語なのではなく現実と人間を描いているものなのです。

「第9地区」も同じく人間のどうしようもなさを突きつけています。

チャッピーがかわいそうで仕方ない。。。 

 

育ての親になったギャングスタ役として南アフリカの音楽ユニット「ダイ・アントワード」のMCニンジャとヨーランディーが「実名」で出ています。

キャストのことは知らずに観たので「おお!まさかの二人が出てるやん!」と驚きました。

南アフリカつながりでちょい役なのかなと思っていたらがっつり主役級でした。

しかもばっちりハマリ役。

ダイ・アントワードで音楽をやっているかなりぶっ飛んでる二人そのもの。

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ちなみに二人は夫婦で日本のカルチャー好きとしても知られています。

同じく日本カルチャー好きのレディ・ガガとはかなり仲が悪いそうです(笑)

 

細かい場面ではツッコミどころもありますが全体的に良かったのであまりいろいろ言うのは無粋というものでしょう。

SFは思考の重力を超えなくてはいけない!!

というわけでこれはオススメしたい映画です。

 

mariostang.hatenablog.com