読んだのは6年くらい前になるので今さらという感じですが、当時も今も衰えない人気がある作品です。
日本SFにおいてはあまりに衝撃的で伊藤計劃以前・以降という分岐点が生まれるほどでした。
しかし僕がこの作品を読んで感じたのは多くの既視感でした。
海外SF"風"に仕上げてあるなという雰囲気が強かったです。
日本の作品では映画「CURE」や漫画「モンスター」のような感じもありました。
もう忘れてしまったけど戦争映画も思い起こさせました。
虐殺器官は多くの小説、映画に影響されてできておりそれは他のどの時代の創作物とも同じ経緯をたどっています。
だから伊藤計劃以前・以降というのは大げさかなと思っています。
作品が出来上がった時代背景的にはアメリカとテロリストの対立が激しさを増している時代でした。
しかしそれは歴史上常に形を変えて行われ続けていたことであり「人はなぜ争うのか」という根源的な疑問に対する答えとしての作品だったのだろうと思います。
*1:2000年〜2009年